二次元裏@ふたば
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画像ファイル名:1790088768253.jpg-(43743 B)
43743 B26/09/22(火)23:52:48No.1471055294そうだねx10 01:35頃消えます
以前師匠と小師妹の話をあげた者だよ。魔王の話も出来たから上げていくよ
126/09/22(火)23:53:02No.1471055373+
―――君、趙活について聞いたことはおありか?
226/09/22(火)23:53:15No.1471055461+
天下一の暗器の名家として四川蜀中に居を構え、数十年の間、江湖に名声を轟かせてきた唐門の門弟。

   ひとたび攻めれば颯踏流星剣は冴えわたり、守勢に入れば腿は金剛の如し。語る語録は戦神のように富み、龍が吟じる如くに威を放つ。

   武林のたくらみに一歩も引かず、南宮の嫡男に天地の合間にありし侠の在り方を解き、ついには西夏、極楽教の企みすら打ち破った。

   唐の姓を持たぬ外弟子ながら、彼がこそが唐門の暗器なり。その身に宿すは忘形編。君、趙大侠とひとたび相対したならば、武林と相対すると、心得よ
   
   彼は点蒼、青城、崆峒派。ありとあらゆる功を操るという。これこそが醜面なれど、彼が天下第一の大侠たる所以なり
326/09/22(火)23:53:28No.1471055538+
「それが私の旦那様ってことよ!」
「ほーう。そうかそうか」
 とある場所。とある宿屋にて、店主は彼の前で胸を張る美少女を前にして、うんうんと頷いた。
「それで、アンタのダンナサマが彼の趙大侠だとして……」

―――ガッシリ!


「それがどうして俺の店の酒瓶を割る事に! つながるんだよ!!」
 ぐりぐりぐり!!

「うわーん!!! 助けてお兄ちゃん! 店主が虐めるの!!!」
「おーっと待て待て待て雲裳! 今回は何をしたんだ!」
426/09/22(火)23:54:27No.1471055897+
「おお、旦那。いいところに来やがったな。なぁおい。オタクの所の嫁さんが、いきなり厨房に入ってくるなり、客に提供する酒瓶を割っていきやがったんだ。たしかにひと月分の宿代と飯代は先に払ってくれたのはありがたい。それにアンタらがここに滞在して数日だ。その間も騒ぎを起こさなかったしいい客なのは分かってるがよ? こりゃあ酒と酒瓶代、弁償してもらう必要があるぜ?」
 しかも酒瓶は特別高価な代物だ。いつも頼んでる場所でしか作ってもらえねぇ。どうすんだこれ? と凄んでくる店主を他所に、美少女の旦那―――これがまた醜い面をしている―――はじっと下手人である自分の妻を見つめた。

「なぁ雲裳。そういう事か?」
「そういう事ってことよ!」
 宿の酒瓶を割る。明らかに悪い事をしたはずなのにやけに胸を張って宣言する自分の妻―――葉雲裳の様子を再び見てから、今度はチラリと割れた酒瓶の数々を見る。その後顔を覆い、深く深くため息をついて、
「はぁ〜お前な。何もここまでせんでももっと穏便な方法が……」
526/09/22(火)23:54:46No.1471056018+
「あー! そんな事より趙郎! 趙郎!!! 裳の叫びを聞いて町の人々が集まって来てしまったわ!!! どうしようってことよ!」
 なんてさらに騒ぎ立てる雲裳の様子を聞きつけて、宿の近くの人々がどうした事だとぞろぞろ集まってくる。

「本当にお前……」
 と頭を抱える趙活を前にして、内心宿屋の店主はほくそ笑んだ。


(こりゃいい。たしかに目の前の醜い旦那は金払いが良かったが、今なら難癖付けてさらにむしり取れるぞ。そうだそうだ! どうせなら隣の妻を店員として働かせてこき使ってやろう。ぐへへへ……こんだけ可愛いらしい女だ。さぞや店に人もあつまってくるだろうよ。それどころか隙を見て……へへへ)
 なんていやらしい未来予想図を思い描き、相貌を崩した店主の前で趙活がスッと頭を下げる。
「なんにせようちの妻が済まなかった。弁償はさせてもらおう」
(よし来た……!)
 つい数瞬前のいやらしい顔つきはどこへやら。途端に店主は厳しい面立ちに早変わりした。
626/09/22(火)23:55:05No.1471056120+
「おうおう。そうやって殊勝に謝ってくれるけどよぅ。この酒瓶ってのは特別高価なんだぜ? 俺の親父がやっていたこの宿屋。親父は体調を崩したから遠方に住んでいた息子の俺が請われて店を継いだわけだが、俺だって折角ついた親父の宿屋だ。もっとずっと盛り立てていきてぇ。だからわざわざ俺の地方の窯からいっとう良い酒瓶を取り寄せてきてたんだ。それを償うとなりゃ……こりゃ一か月分の宿代ではまからんぜ?」
 あえて凄んでみる。まぁ実際嘘は言っていないのだ。遠方。男がかつて暮らしていた窯のよしみで作ってもらった、『いっとう特別』な酒瓶であるからして。

 そんな風に凄く店主を前にして、しかし目の前の醜い男は、まるで凪いだ水面のように静かだった。高いと言われておののくでもなく、金額について心配するでもなく。その様子に店主はたじろいだ。
「な……なんだよあんた」
 普通、醜いなら性根も醜い。店主の脅しにたじろぎ、許しを筈なのにこの男は小動もしない。店主の言葉にも応えず、ややあってから口を開いた。
726/09/22(火)23:55:25No.1471056242+
「どこだ?」
「あん?」
「どこの窯だ?」
「どこの窯ってそりゃおめぇ……吉州の窯に決まってるだろうが……」
 『どこの窯が何かなんて関係ねぇだろ!! さっさと弁償するのかしねぇのか! それとも弁償できないなら他の何かで払うのか! まずはそこからだろうが!』なんて、街の人々が知る普段の店主ならそう言っていただろう。だがしかし泰然自若とした趙活の雰囲気に、店主は完全に飲まれいた。ついつい、本当に窯の産地を答えてしまう。
「なるよそ吉州の窯か。たしかに作りはそこのやつだな。庶民や商人向けを良く作っている窯だ。間違いなさそうだな。作り自体もとても良かったみたいだ」
「そ、そうだろ? 良いんだよ。何せ俺の馴染みに作ってもらったんだ。俺の店は普通の宿だ。お大尽様の泊るような店じゃねぇのは重々承知してる。でもよ、金持ちみてぇな酒瓶で酒を飲めば、その時だけは金持ちで気分がいい。俺はそういう気分の良さを皆に味わってもらいてぇから、奮発したんだぞ!」
 その言葉に、にっかりと趙活は笑みを浮かべた。
826/09/22(火)23:55:37No.1471056333+
「そうかそうか! 店主の心意気、痛く心に感じ入った! 改めてうちの妻が粗相をして申し訳ない!」
「お、おう。わかりゃいいんだ。だから……」
 弁償を―――そう言いかけた店主の口を、趙活の言葉が先んじて封じた。
「だから弁償として、龍泉窯の酒瓶をアンタに送りたい!」
「……は?」
 一瞬、何を言っているのか店主は理解できなかった。龍泉窯の作と言えば当代きっての窯だ。それこそ庶民なんかが手に入るようなものではない。
926/09/22(火)23:55:57No.1471056439+
「いやいやいや! そんなアンタ。いきなり龍泉窯のっつったって、現物があるわけじゃねぇだろ!」
 そう言われて、趙活は頭を掻いた。
「まぁそれはそうなんだが……」
「ほらみろ! そんな嘘をこいたってな! しょうがないんだよ!」
 と得意になった店主の前に、すっと趙活の懐から何らかの書状が差し出される。
「ただ、証としてこれならいいか?」
「なぁ!? おいこれ、紹介状か!?」

 そう。趙活が差し出したのは、龍泉の窯を担う、某家の紹介状であった。曰く、この書状としかるべき金銭を差し出せば、龍泉窯の作品を提供するという内容。
「ほ……ほほ、いや。これが本物? 本物なわけあるかぁ!?」
「いいや、本物だよ」
 絶叫した店主の言葉を遮るように、騒ぎを聞きつけて立ち寄った群衆の中の一人が静かに声を上げる。
「お、親父さん……」
1026/09/22(火)23:56:37No.1471056690+
 店主が震える声で答えると、件の『親父』はにやりと笑い、
「そう。親父だ。お前の父親が亡くなって、お前の店に酒瓶やらを卸していたこの街の窯の……な。そりゃ、俺だって龍泉窯ほど良いものが作れるわけじゃない。だがしかし、その紹介状が本物かどうかの見分け位、窯元としてはつく。そいつは本物だ」
 その言葉に、群衆たちはほう……とため息をついた。
 一方、頭を抱え、しゃがみこんだのは店主の方。
「まじかよ……」
(まさか深大侠からもらった紹介状がこんなところで役に立つとはな……)
 西武林と武林のあれやこれやが終わった後も、趙活と南宮深の仲は続いていた。というか、武辺者の多い江湖において、儒侠の薫陶を受けた趙活程風流を解する者もそうはいない。そう言う訳で行く度行く度、こういった『お土産』を持たされるのだった。
1126/09/22(火)23:56:47No.1471056745+
「ああ勿論、安心してくれ。ちゃんとしかるべき代金は俺の方が出すから」
 と優しく肩をポンと叩いた趙活を、店主は泣きそうな目で見上げて、
「でもよぉ……だからってすぐに酒瓶が補充されるわけじゃないだろぉ? どうすんだよぉ。当分の営業はさぁ」
「ああそれだったら」
 今度は、『親父』が反対の肩をポン、と叩いた。
「安心してくれ。俺の方で酒瓶を卸そう。なに。お前の父親が亡くなって、別の所からお前が酒瓶を卸すようになる前は、うちの方で宿に酒瓶を卸してたんだ。勝手は重々承知しているから……な?」
 その言葉を聞いて、途端に店主は目が泳ぎ出した。
「そ、それはっ!」
 何かを言いよどむ店主に対して、親父はにこやかな、あまりにもにこやかな笑みを浮かべる。
1226/09/22(火)23:57:07No.1471056877+
「おいおい。どうしたんだぁ? 旦那のせがれよぉ。たしかに趙大侠の奥さんが悪戯で酒瓶を割っちまったのは悪い事かもしれねぇ。けれどよぉ、その償いに、なんと龍泉窯の酒瓶を提供してくれるっていうじゃないか。『やって来た客に少しでもお大尽の気分を味わってほしい』っつぅ、せがれの望みに叶う事じゃねぇのか?」
「た、たしかに! たしかにそうだが! でも!」
 動揺しきった店主が立ち上がって抗議しようとしたところ、自分が今そんな事出来ない事実に気付く。趙活の手と、親父の手。両肩に添えられた手はがっしりと店主を押さえつけており、まるで『逃がさん』と言わんばかりであった。
「ひっ!」 
 さぁっと顔を青ざめさせる店主を他所に、さらに親父が話を続ける。
「おいおい。当面の酒瓶は俺が面倒を見る。しかもその後は龍泉窯の上等な酒瓶が手に入る。それでお前さん、何が不満だってんだい? まさか、なぁ?」
 ジロリ、親父が店主を睨みつけ、
「何か、『あの割れた酒瓶じゃないと駄目な理由』でもあるのか?」
1326/09/22(火)23:57:28No.1471056984+
 趙活が、言葉の後ろを引き継いだ。
「うっ……ぐっ……ぐくぅぅぅぅ……!」
 もはや店主も何も言えない。思わず口をつぐんでぐぐぐと震えているそこに、


「ああ、趙郎! それに親父さん! そんなに店主をいじめないであげて! そもそもこの葉某が、いたずらで酒瓶を割ったのが悪いってことよ!」
 とそこで雲裳が声を掛けた。その言葉に、バッと店主は頭を上げる。まるで地獄に一本、蜘蛛の糸が垂れて来たかのよう。
「そう! そう! そう! そうだ!! まず前提として、そこの娘っ子が酒瓶を割ったのが悪いんだろうが! 弁償するとかなんだとか! そんな事でうやむやにしようとするんじゃねぇ!」
 と店主が叫ぶ。『いや、うやむやにしようとしてるのはアンタだろ……』なんて、周囲の白けた視線はまるで見えてないかのようだ。
 だがしかし、そんな店主の叫びにうんうんと雲裳は頷いた。
1426/09/22(火)23:57:44No.1471057080+
「そう! そうだってことよ! ああ趙郎! いたいけな妻を折檻して、お尻叩かないでくださいましね! もしそうなってしまったら、裳の可愛らしいお尻が黙鈴のようにでっかくなってしまうから!」
 うるうると涙を讃えて趙活を見上げる雲裳の言葉に、皆が『え!? いくら夫婦とはいえそういうプレイを!?』という視線が突き刺さる。

「……はぁ〜そう言う冗談はいいから雲裳、話を続けてくれ」
「てへぺろ」
 とウィンクに可愛らしく舌を出し、
「とにもかくにも、そこの店主は『もとの酒瓶』をご所望とのこと! なのでこの雲裳、店主の願いをかなえる事にしたの! 実はね? 私、点蒼派の剣士なの!」
「はぁ?」
 突然の雲裳の宣言に、店主一同、趙活以外が『何を言ってるんだこの小娘は?』という視線を送る。
「点蒼派は極めると、斬られた事さえ気づかぬ神速の業。つまりそれを修めたこの葉雲裳も、酒瓶が割れたこそすら気付かぬ割り方が出来るってわけよ!」
1526/09/22(火)23:58:00No.1471057160+
「いや、一体何を」
 言ってるんだという店主の言葉を、雲裳がにやりと笑って遮った。
「気付かなかったかしら店主さん? 雲裳はたしかに酒瓶を割ったけど、『おっきな破片ばかりで、小さな破片は一つもなかった』って事に」
「!! まさか!」
「そうその通り! 点蒼派の神速の酒瓶割りは、割れた事すら気付かせない! つまり修復も用意ってことよ!」
 そう言って、バッと彼女は背後の地面に伏せていた、いつも身に纏っている豹の毛皮をばっと取り払った。
―――するとそこには都合6つ。膠によって破片が繋ぎ合わされ、修復された酒瓶と、どういう訳か破片の山がそこにはあった。
1626/09/22(火)23:58:29No.1471057330+
「なぁぁぁ!?」
 思わず店主が叫び声を上げて、親父が怪訝な表情をする。
「おいおい嬢ちゃん。これはどういったことだい?」
 親父の言葉に雲裳もまた怪訝な顔で返す。
「それがね? 不思議なんだけれど、裳がちゃんと酒瓶を修復したはずなのに……これだけ破片が残ってしまったの。ほら見て」
 と雲裳が酒瓶の一つを取って、底を見せる。そこもちゃんと塞がれていた。
「ちゃんと修復されているのに、破片のあまりが出る。ねぇねぇ、賢い私の趙郎様ぁ〜〜〜♡♡これってどういう事ぉ♡♡♡♡裳♡♡♡♡全然わからな〜い♡♡♡」
 そんな風におちょくる雲裳を血走った目で見つめながら、店主が今にも飛びかからんとする。残念ながら趙活と親父に押さえつけられていたが。
「てめっ! 明らかにわかってるだろうがぁ!!!!」
「そうだな。雲裳。恐らくは……上げ底をして、酒の量をごまかしていたんじゃないのか?」
「えええ〜そういう事ぉ!?」
 と驚きの声を上げる雲裳と共に、群衆からもおお! とどよめきの声があがった。

 それと同時にひそひそと周囲から囁き声
1726/09/22(火)23:58:45No.1471057396+
―――やっぱりだ。あの息子の代に変わってから、おかしいと思ってたんだ
―――お前もか!? でもなぁ……言い出せるかっていうとまた難しくて……
―――そりゃそうだろ。だってあの宿屋とは親子三代の付き合いだぞ?
―――でも、こうして不正が明らかになった。そうなると不憫なのは……
―――ああ。親の代でせっせと働いて、遠いところに行っちまった息子の代わりに店主の座を約束されてたはずの、奉公の息子だよなぁ
1826/09/22(火)23:59:14No.1471057563+
「おいてめぇ!! やっぱりやってやがったか!!」
 どよめきの群衆の中から、威勢のいい男の声が響いて、趙活と親父に抑えられていた店主の前に男が一人躍り出た。その勢いのまま、店主を一発殴りつける。
「ぐぅ!」
「くそ! てめ! てめぇ!! 俺はなぁ!! 俺はなぁ!!! 一生懸命働いて!!! 旦那様にだって店を任せるって話まで出てたのに! 危篤になった途端いきなり帰って来やがって! しかもなくなったら亡くなったで親子の序列の話をして俺から店を奪ったかと思ったら、こんな阿漕な商売しやがってよぉ!」
 ガン! ガン! 二発、三発。男が殴る。先ほど話に出ていた、本来店を継ぐはずだった奉公の息子だった。
「ぐっ! がっ!」
「おい! そこらへんでやめておけ!」
 これ以上殴ってしまったら重傷になる、といったところで趙活が止める。腕を掴まれた男はしかし、血走った目で趙活を睨みつけて、
「けれど趙大侠! こんな程度じゃ俺、おさまりがつかねぇよ……! こいつのせいで俺は店を……!」
「おい、坊主。そろそろやめな」
1926/09/22(火)23:59:27No.1471057635+
 と今度は親父が抑えている方とは逆の手で、息子の頭を撫でてやった。
「このド畜生の姦計で路頭に迷ったお前を、拾ってやったのは今こいつを成敗して、官に突き出す羽目になるためじゃねぇぜ。阿漕な真似して突き出されるのは……こいつの方だ」
 と親父がいっとう鋭い目で拘束されたままの店主を睨みつける。

「ぐっ……くっ……くそっ! 俺は俺は単にもっと宿を盛り立てようと……!」
「それで酒の量をちょろまかして、稼ぎを増やそうとするのはいただけないな」
 そんな至極真っ当な事を言った趙活を、きっと店主は見上げて睨みつけた。
「何言いやがんだこのブサイク野郎が!! そもそもお前だってそういう『ズル』してるじゃねぇかよ! お前みたいなブサイクに、なんでこんな美しい娘が妻になるってんだ! 金か!? もしくは何かもっと大事なものでも使って脅しつけたか!?」
「ッ!」
2026/09/22(火)23:59:41No.1471057705+
 趙活が何か言い返そうとする前に、雲裳がひしと趙活に抱き着いた。
「あら、発想が貧困だわ。裳が妻になったのはね、自分の命が対価だったからよ」
 その言葉に、周囲がうわっとドン引いた。対して店主は得意顔。
「おいおい! まさか『妻にならければ殺す』なんて脅しつけたのかこのブサイクはよ!? とんだ見下げ果てたやろうじゃねぇかよ! 皆、こんな奴に比べれば、俺が酒の量をちょろまかしたことなんて、全くどうでもいいことじゃねぇか!?」
 そんな店主の言葉をぴしゃりと否定したのは、やはり雲裳であった。
「あら。残念ね。趙大侠はそんな事してないわ。この西武林を背負って立った大侠はね? 余命いくばくもない私の命を救ってくれたの。だから私は、このお方の妻となった。自分の命を対価に裳の命を救ってくれたのだから、裳が嫁いで尽くすのは当然でしょう?」
 そう言って、うっとりと頬を赤くし趙活に寄り添う姿は、脅しつけられていやいやという雰囲気は全くない。それだけで少女の言葉が全く真実であると、群衆は信じるに値した。そんな様子を見まわたした雲裳が、高らかに宣言する。
2126/09/22(火)23:59:57No.1471057782そうだねx1
「そして今、私の命を救ってくれたやさしいやさしい趙大侠は、長年誠実に働いて、やっと店を継げるはずだった奉公人の名誉を救った! 父子の絆を盾に撮り、不当に店を引き継いで、あまつさえ酒の量の不正を働いていた店主はここに裁かれるってことよ!!」
―――うおおおおおおお!!!!

「さぁ! さっさと官を呼んでこの親不孝をお縄に付けさせましょう!!! あれもこれも我らが趙大侠のおかげって事、忘れないでね!!!」


―――大侠! 大侠!!

―――さすがは趙大侠!! 西武林の伝説!!!


 雲裳の言葉に、群衆たちのテンションは大爆発した。
「……はははは」
 渦中の趙活はむしろ、どことなく気恥ずかしそうであった。
2226/09/23(水)00:00:13No.1471057877+
「おう。ありがとうな趙大侠。これは俺のおごりだ」
「そのように趙大侠などと、流石に気恥ずかしいですよ。それに大体は雲裳の策だ」
「がはははは!! それでも、だ! 俺もあの奉公の息子の事は気になっててな! こうしてあいつに宿が戻ってきて、俺らもほっと一息ってもんさ」
「ふふーん。じゃあ美味しいものたっくさん頼まないとね!」
「おいおい、雲裳……!」
「がははは! 頼め頼め!!」
 そう言ってバシバシと親方が趙活の背中を叩いてくる。結局、件の宿屋の店主―――元々この宿屋を始めた店主の倅は酒の量をごまかし不当に利益を得たという咎により官に引き立てられていった。また、そもそも亡くなった店主が、経営が厳しかったころの宿を捨てて遠くに行ってしまった息子よりも、永らく奉公してくれていた奉公人に店を継がせるといっていた話も考慮され、無事、宿屋は奉公人の手に渡る事になったそうだ。
2326/09/23(水)00:00:23No.1471057940+
「それにしてもまさか趙大侠に話したらこんなにすぐに解決するとは!!! 流石は西武林の頂点!」
「いや……どちらかというと大体の流れは雲裳が」
「そうってことよ親父さん! 何より、あなたに陶器用の土を納品しに来た行商人に、その趙大侠が連れ立っていた幸運に、感謝するべきよね!」
「がははは!! 全く然り然り!」
「まぁ、そこまで言われれば悪い気もしないな」
2426/09/23(水)00:00:38No.1471058041+
「ええ。そういう事です。貴方達を紹介していただいた行商人の方にもお礼をしなければなりませんね」
 なんて言いながら、3人の会話に混じって来たのは、陶器の親父の元で世話になっていた元奉公人。現店主であった。
「勿論不当に店を継いだあの息子によって店を追い出された俺の面倒を見れくれた親父さんにも、改めてありがとうございます」
「ガハハハハ! いいって事よ! それに俺は小さな町のしがない陶器の窯元。本来一人で食うのが精いっぱい。そんな状況でお前を養えたのは、町の人たちもなんかおかしいって思ってたからこそだ!」
「そうだったんですね……」
 と感慨深そうにつぶやいた店主の腕を、雲裳がツンツンとつつく。
2526/09/23(水)00:00:52No.1471058117+
「それであんたは何かこの超大侠にお礼の品を盛って来たのかしら?」
「ええ! それは勿論!」
 と言いながら、店主が見せてきたのは籠に一杯入った取れたての海老だった。あまりに新鮮なもので、ぴちぴちと跳ねている。そんな新鮮な海老を見て、趙活が表情を輝かせた。
「おお! この街の特産品か!?」
「ええ。海に近いここでは色んな魚が獲れますが、特にこの海老は絶品ですよ! それにですね、お二人には私が親父の元で考え付いた、『あれ』を食べてもらいたいと思います!」
「「あれ?」」
 謎の言葉に、趙活と雲裳が思わず顔を見合わせる。対して親父はにやりと笑い、
「おお、あれか!」
 と大笑い。
2626/09/23(水)00:01:07No.1471058218+
「ええ。見ていてください!」
 そう言うなり、店主は皆の眼前に用意した大皿に、ざばっと籠の中に入っていた新鮮な海老を入れた。当然海老たちも驚いて、ビチビチと跳ねる。これにはかの混成魔王もびっくりだ。
「ひゃああ!? 趙活! 跳ねてる!! 跳ねてるってことよ!? 生きてる!?」
「ああ、生きてるなぁ」
 と趙活の方は一体何を見せてくれるかと興味津々であった。

「さて、この新鮮な海老ですが……」
 用意したるは二つの瓶。
「一方には黄酒が。一方には魚醤が入ってます。そしてこれを、注ぐ!」
 その二つを、皿の上に載せられた海老に一気に注ぎ入れた! 当然海老たちはより強く跳ねる訳だが、その一瞬前、店主が今度は巨大なお椀を使って海老をさらの中に閉じ込める。

 ビチビチビチ! 陶器製の皿の中で飛び跳ねていた海老たちは、何時しか黄酒の中で酔っぱらって、動かなくなった。
2726/09/23(水)00:01:23No.1471058305+
「こうしてやれば、鮮度を保ったまま、生きた状態で蒸してやることが出来るんです。しかも魚醤の味を沁みさせたまま」
 という店主に、趙活はほぅ、と感嘆の声を上げた。
「なるほど。単に生きた海老を蒸せば飛び跳ねてしまうが、酔わせて眠らせる事によってそれを防ぐ訳か。猩猩も酒の誘惑には抗えなかったと聞く。ましてや海老も、という事だな」
「ええ。そういう事です!……俺と旦那様の大事な店を奪ったあのドラ息子にどうやって復讐してやろうかと考えてたら……思いついた料理でして」
 その言葉に、さしもの趙活も顔をひきつらせた。
「そ、そうか……」
「それでは今からこの酔った海老を蒸してきますので、少々お待ちを!」
 そう言って、店主は厨房の方へと引っ込んでいった。残された三人の間に、微妙な沈黙が広がる。
「……これには流石の裳も、何も言えなくなるってことよ」
2826/09/23(水)00:01:55No.1471058507+
「ははは! まぁ、そのなんだ? マジで美味いぞ? 何せアイツの『執念』がこもってるからな。ああやって酒を飲ませて蒸すと、とっても薫り高くなるんだ」
「ふーん。なるほど? 酒で蒸すと香り高くなる……」
 親父の言葉を何やら考え込みつつ雲裳が復唱する。
「おい雲裳、何か変な事考えてないか?」
 こういう時は、往々にして彼女の悪戯が始まる時なのだ。丁度行商人の護衛がてたこの街について、何やら悩んでいる親父に話を聞いた時と同じように。現に今も雲裳は何か納得したらしく一つ頷いてから趙活へとにやりと笑いかけ、
「なんでもないってことよ〜♪」
「いや絶対何か考えてるだろ! 君がそういう顔をするときはロクな事にならない!」
2926/09/23(水)00:02:09No.1471058599+
「ああ趙郎! 何てこというのかしら! 裳は常に趙郎の栄達の道を考えてるっていうのに! 今回の一件だってそうじゃない! 裳の成すことは全て、趙郎の為。これの子、于に帰ぐ。その室家に宜しってことよ!」
 雲裳による桃夭の引用を、今一親方は理解できていないようだったが、それでもその教養の確からしさは理解できたらしい。
「なんというか、流石趙大侠のお嫁さんは教養があることだなぁ」
「まぁ、凄いやつなんですよ雲裳は」
 なんて言いながら、趙活もポンポンと雲裳の頭を撫でる。なんとも微笑ましいおしどり夫婦であった。


 の、だが。
3026/09/23(水)00:02:29No.1471058710+
「さて、ところで趙大侠。アンタの奥さんから聞いた話なんだが……」
 そこで、わずかに親方の雰囲気が変わる。
「酒瓶、あるよな?」
「うん? ああ。龍泉窯の件は本当にやるぞ?」
「それもいいんだが、そっちじゃなくて、もう一つの方だ。アンタ達がこの街にやってきて、俺達の協力してくれて今回事を起こすまでの数日間の酒瓶の代金の話なんだが」
 その言葉に、趙活も怪訝な表情をした。
「? 何の話だ?」
 それに今度は親方がきょとんとした表情をする。
「おや? そっちの奥さんから聞いてないのか? 『割りまくった酒瓶の代金』の話なんだが……」
「は?」
 おいどういう事だといわんばかりの趙活の視線に、雲裳は胸を張って答えた。
3126/09/23(水)00:02:51No.1471058844+
「いくら裳でも、あんなふうに、すぐに修復できる程巧妙に酒瓶を割れるようになるなんて、ぶっつけ本番で出来るはずないってことよ!」
「……つまり?」
「『割りまくって練習したの』。そこの親方さんの窯の酒瓶をね!」
「なぁ!?」 
 これには流石の趙活も驚愕の表情を浮かべた。恐る恐る親方の方を見る。
「いや。たしかにアンタらには本当に。本当に感謝してるんだ。とはいえ、流石に俺の方も生活ってものがあってな? 何よりそっちの奥さんは『私の夫に代金は請求してもらっていいわ!』なんて言うもんだから」
「おい待て!」
 本当に聞いていない! という趙活の追及に、雲裳は目を潤ませながら上目使いで趙活に答える。
「ああ、趙郎。裳は趙郎の名誉のために粉骨砕身したのです。ならばそれによる対価は、趙郎が贖うべき、ですよね? ……つまるところ裳の功績は趙活のもの。裳のやらかしたことは趙活の責任ってことよ〜♪」
 なんて言いながら、酒瓶をひっつかんでするりと席から立ってしまった。
3226/09/23(水)00:03:08No.1471058936+
「おい! うんしょ!」
「まぁ待ってくれよ」
 と思わず立ち上がろうとした趙活の肩を、親父ががっしりと抑える。ああ、なんと強い力か。内功充溢した趙活なら振り払う事は容易かったが、その力には『生活の重み』が加わっている。どうしても払うことなどできはしなかった。
「……実際どれくらいかかったんだよ?」
「これくらいだな……一括で払えるか?」
「この金額を!? こんなん一括でなんて無理に決まってるだろ! どんだけ割ったんだよあの魔王は!!!」
3326/09/23(水)00:03:29No.1471059052+
 それから、趙活が親父と返済計画について話し終える事が出来たのは、夜もとっくり更けたころだった。
「全く……鍛冶に伝手があるからそっち方面で埋め合わせする事になったからそれでどうにかなったが、当分はこの街に逗留することになるぞ。本当に何考えてるんだ雲裳は」
 なんて愚痴りながら、宿屋の二階。当分借りる事になった部屋に趙活は戻って来た。あんな天真爛漫に見えて雲裳は良家の教育行き届いたお嬢様である。結婚する前は頑なに同じ部屋で泊まろうとしなかった彼女も、今や同じ部屋で寝泊まりしてくれる。
「帰ったぞ〜」
「あら〜♪お帰りお兄ちゃん〜〜〜♡♡」
 トレードマークである豹の毛皮を身に着けて、窓辺に腰かけていた雲裳が、機嫌よさそうに趙活に声を掛けて来た。そのままテテテと趙活の方へと歩いてくるが、その足取りはやけにおぼつかない。そのまま雲裳は趙活の体にぶつかり、ひしと抱きしめた。そのまま鼻がしらを心地よさそうに趙活の服に擦り付ける。
3426/09/23(水)00:04:28No.1471059373+
「ん〜♪♪ ほんと。裳の旦那様はいい匂いがするってことよ〜♪♪ブサイクのくせに」
「ブサイクは余計だブサイクは。それに比べて雲裳、君の方は珍しい匂いだな。お酒の匂いだなんて」
「えへへへ〜♪♪♪」
 趙活の言葉を、雲裳は笑ってごまかした。そう、彼女は今お酒を飲んでいた。
(先ほど部屋に戻る時に酒瓶を持って行っていたから飲むつもりだろうとは思っていたが、本当に珍しいな)
 と趙活。実際、雲裳は旅の中で酒を嗜む事の出来る年齢にはなっていたが、実際に嗜むことはめったになかった。それが今回、こんな酒の匂いをさせる位の飲んでいるとは、どういった事だろう?
3526/09/23(水)00:04:58No.1471059548+
「まぁいい。雲裳。君が俺の事を思ってくれているのは分かるが、流石に今回は事前に一言言ってくれ。親父さんの出した金額。さすがに目ん玉がぶっ飛ぶかと思ったぞ」
 そんな趙活の言葉に、ぎゅっと彼を抱きしめたまま雲裳はうんうんと頷いた。
「は〜い。今回は裳の気配りが足りなかったわね。もっと事前に説明しておくべきだったわ」
 と趙活の言葉に、雲裳は何の反論もせずに同意した。


―――この段階で、趙活はごくりとつばを飲みこむ。

 何せ次に雲裳が言う言葉は、ただ一つしかなかったから。酒に蕩けた顔で微笑みながら、雲裳が趙活を見上げる。だがしかし、その瞳の奥にはどこか怜悧な光があって……

「此度は、夫である趙郎の名声を高めようと献身した裳ですが、その策に不備があり趙郎に骨を折って頂くばかりか、その後の後始末もさせてしまいました。この不出来な妻に、どうか。どうか『お仕置き』をくださいませ」

 それは、二人の間での約束事。『愛し合う』の半歩先。『お仕置き』は、そういう『激しい事がしたい』という雲裳からの合図だったから。
3626/09/23(水)00:05:14No.1471059640+
「……ああ。分かった。そうだな。『お仕置き』はしないといかん」
 と言葉を詰まらせながら趙活が応える様子を、雲裳は数瞬前の真面目な様子とは打って変わっていつも通りのにやけた笑みで見つめた。
「ああでも、これって本当に『お仕置き』なのかしら? すでにお兄ちゃんの『ケダモノ』がケダモノになってるってことよ〜♡♡♡」
 その言葉に、ただでさえ半勃ちになっていた趙活のチンポが、ギン! と硬くなる。本当に、雲裳はズルい女の子だと思う。
3726/09/23(水)00:05:36No.1471059735+
 さておき、雲裳が一旦趙活から離れて、ふらふらと豹の毛皮の前を纏ったまま、ベッドの上に座り込む。そして静かに頭を下げた。
「それでね、お兄ちゃん」
 頭を下げたまま、静かに言葉を紡ぐ。
「裳も考えたのよ。これはたしかに『お仕置き』だけど、お兄ちゃんへのご褒美でもある。ってそれでさっきピンと来たの。『海老は、酒で蒸すと美味しくなる』らしいじゃない?」
「それは、つまり……!」
 すでに趙活のチンポはビンビンに勃起しており、ズボンの中でテントを張っていた。正直少し痛い位である。そんな夫の興奮を目の当たりにして雲裳はふっと笑みを浮かべながら、頭を下げた状態から今度はベッドに仰向けに寝転がる。
「だから、裳も考えたの。『海老と同じ感じで酒で蒸してみたら美味しいかな?』って」
 普段は開いている豹の毛皮の前がぴっちりと閉じられている。そして何よりよく見れば、その豹の毛皮から覗く脚は、生足であった。いつもの点蒼派の制服ではない。つまり。つまり……
3826/09/23(水)00:06:02No.1471059882+
「雲裳!」
「やぁん♡♡♡だめよお兄ちゃん♡♡ほら♡♡♡お作法があるでしょう? 脱いで脱いで♡♡♡♡」
 その言葉の通り、趙活はいそいそと衣服を脱いだ。
「わぁ♡♡♡♡」
 露わになった夫の筋骨隆々とした恵体に、思わず雲裳も嬉しそうな声を上げる。とある『先輩』に忘形篇について自覚させられてから鍛えぬいた彼の体は、まさに偉丈夫というにふさわしい。そしてそんな体に抱き潰されるのが、雲裳は大好きだった。
「相も変わらず大侠の体に豚の顔が載ってるってことよ……」
「悪かったな豚の顔で」
「そうそう。ほんとーに豚♡♡でもお兄ちゃん。知ってる?」
3926/09/23(水)00:06:21No.1471059983+
にんまりと笑って雲裳、
「豚もよく見ると可愛いってことよ♡♡ ほら、来て」
 と両手を広げた。
「ああ……」
 誘われて、雲裳を抱きしめ互いに唇を合わせる。趙活は裸なのに、未だに豹の毛皮を纏った雲裳の肌触りはいつもと違くて、なんとも不思議であった。不思議と言えば本人も述べたように『酒で蒸した』からか、吐息も口づけの味も全部、酒臭い。悪い気は……しないのだが。

 そうしてしばし二人して口づけした後、唇を離す。しばし見つめ合った後。
「それじゃあお兄ちゃん。『雲裳の酒蒸し』、御開帳ってことよ〜♡♡♡」
「ああ」
 言葉に従って、毛皮の合わせを外してゆく。そして海老の殻をむくかのように、身長に慎重に、豹の毛皮を開いていった。
4026/09/23(水)00:06:46No.1471060101+
 途端に、それまで豹の毛皮の中で蒸されていた、雲裳の女の子の匂いと強い酒精が、香ってくる。
「はぁ♡♡♡はぁ♡♡♡はふぅ♡♡♡お酒飲んでると熱くなるのに、毛皮の前を閉じてたから本当に。ほんんとーに!! 大変だったって事よぉ……」
 と荒く呼吸している雲裳の言葉を聞く趙活の眼前には、
「……おお」
 まさしく桃源の如き景色が広がっていた。
4126/09/23(水)00:07:22No.1471060288+
 汗まみれの、葉雲裳の体である。酒によって体温が上がって汗をかいているからか、ホカホカ。ムワァっと湯気すら立ちそうなほどの湿気。本来、これほど汗をかけば女子とは言え酸っぱい臭いがしてもおかしくない。だがしかし、本人曰く酒を飲んだことによって出た汗だからか、強い酒精も感じられて、そのおかげだろうか。汗の不快な酸っぱい臭いは感じられなかった。後に残るのは酔いそうになる程の酒の香りとまじりあった女の子の甘い臭い。
 そんな香り立つ雲裳を、趙活はまじまじと見つめた。
 その裸体である。酒に酔った体は程よく上気して、汗で湿っている。そのおかげか抜けるような白さの肌はわずかに桜色に染まっており、果たして酔っているのか発情しているのか。いずれにせよ蠱惑的。また、何よりもその恵体である。蒸しあげられた海老がプリっぷりの実を晒すように、雲裳もまた豊かな丸みを帯びたその体を晒していた。
4226/09/23(水)00:07:40No.1471060374+
 身体のライン自体は全体的にすらっとしている雲裳である。長らく病人生活だったからか、お腹周りにも全体的に脂肪は薄く、ともすればあばらすら浮くのではないかという細さ。それでいて彼女がしっかりと成熟した女性であると示しているかのように腰は括れており、脚も慎ましやかにほっそりとしている。
 にもかかわらず、胸である。全体的にすらりとした体型をしている雲裳であるが、胸だけがまるでその摂理から逆らっているかのように大きい。いや、それこそまさしく、『すべての脂肪が胸にいった』かのよう。片方の乳が趙活の片手に乗る程の大きさ。しかも若々しく、重力に逆らわず突き出たお椀型のそれは、一度下から捧げもつとずっしりと重い。初めて交わった時、その柔らかさを感じた趙活は、温かく、塊となったままの餅を思い出した。そう、餅。それでいて張りがあり、何時まで揉んでも飽きがこない。それどころかそうやって揉んでやると、この餅は艶やかな喘ぎ声を上げて、頭頂部を固くし、その頂点を桜色からさくらんぼの色へと変じていくのだ。
4326/09/23(水)00:08:02No.1471060480+
そうして熟した頂点を甘噛みしたときの、妻の反応と言ったら。びくびくと腰を震わて、放たれる罵倒の言葉にも勢いはなく甘やかに。それどころか、甘噛みすればするほどまだ出るはずのない甘やかな乳の味がするようで、それがいっそう趙活を興奮させる。
 そんな極上の乳を持つ至宝の美少女の女体が、酒精を帯びて今日、趙活の前に晒されていた。
4426/09/23(水)00:08:29No.1471060625+
「ふぅ♡♡♡ふぅ♡♡♡早くお兄ちゃん、『お仕置き』して?」
 まるで温泉に入ってのぼせた人のように荒い息をつきながら、雲裳が『お仕置き』をおねだりする。これには趙活もついつい発情顔。
「うわっ♡♡♡きっも♡♡♡♡どうしてお兄ちゃんってばそんなにキモい顔が出来るのかしら♡♡♡裳はそんな顔見たくないってことよ♡♡♡だから……えい♡♡♡」
 雲裳がわずかに上体を起こして、右の腋で趙活の顔を緩く挟んだ。
「むおっ!?」
 途端に、趙活の鼻にむわっと少女の香りが広がる。まるで桃のような甘やかな香りの中に、今日は酒の成分が強い。それだけでくらくらと酔っ払いそうになる。仙境の酒とはこのことか。だがしかし、雲裳は神仙などではなく、趙活に跪き、侍る嫁である。そのことをゆめゆめ忘れるでないぞ。この娘は現実に存在する女の子なんだぞ言わんばかりに、わずか。生を感じさせる汗の酸っぱい臭いもまたあって……
4526/09/23(水)00:09:01No.1471060779+
「ふがっ! ふがっ! ふがっ!」
「あははは♡♡♡本当にお兄ちゃんってば豚ってことよ♡♡♡」
 と雲裳は甘やかに笑った。
「そんなに裳の腋の臭いが好きなら、えい♡♡♡えい♡♡♡」
 雲裳が、趙活の腋を脇に挟み込む力を僅かに強くする。するとより匂いが広がって、それに加えて胸である。顔の左側に、雲裳のたわわな胸のやわらかい感触が感じられて、もうこれだけで趙活はチンポがビンビンになる。寝転がる雲裳に、膝立ちの形で跨る趙活。その硬くなったチンポが、ツンツン♡♡♡ツンツン♡♡♡と雲裳の臍の辺りを突っついた。
 それだけで、かぁっと雲裳の胎が熱くなる。
(もう、そんなに雲裳を孕ましたいってわけ♡♡♡本当にお兄ちゃんは、ケダモノってことよ♡♡♡)
4626/09/23(水)00:09:24No.1471060884+
 嘘だ。実のところ孕みたいのは雲裳の方。健康になって結ばれてからというもの、雲裳の体は貞淑な彼女に反してあまりにも孕みたがっていた。愛しいお兄ちゃん、趙郎が笑いかけるたび、こちらの頭を撫でる旅。旅の途中、『ちょっとした悪戯』をしてお尻をぺんぺん叩かれ折檻される度、お腹の奥にある子宮がキュゥゥゥゥッと切なげに疼いて、『早く♡♡♡早く孕みたい♡♡♡』と主張するのだ。
 今も然り。趙活の亀頭が雲裳のお腹の薄い脂肪越しに子宮をツン♡♡としただけで、子宮が猛烈に主張する。『早く♡♡♡早く♡♡♡』と。
4726/09/23(水)00:10:32No.1471061195+
わずかに腰を引いて、愛しい夫のチンポから逃れながら、雲裳は左手で赤子をあやすように、お腹を撫でる。
(裳の体よ、その胎よ。わかります。分かっております。裳は今にも死にそうだったから、本能的に孕めるときに孕みたくなる孕みたがり。愛しい男の妻だけでいたいのに、趙郎の子の母にもなりたい。ああっ! 裳は本当によくばりってことよ♡♡)
 とはいえ、こればかりは授かりものであった。勿論、彼女とて孕むつもりではいるが、つい先ごろまで衰弱していた体は、未だ種が芽吹き辛い。本来ならばあまり歓迎できない事ではあったが、趙活もゆっくりやっていこうといっていたし、雲裳だって嬉しくないわけではないのだ。常に死が間近にあって、傍目には天真爛漫ながらも常に死を覚悟していた彼女である。少しの間だけでも、『趙郎の妻』を謳歌させて欲しい、複雑な乙女心であった。
4826/09/23(水)00:11:00No.1471061328+
「ふがっ! ふっ! ふっ!」
 そんな乙女の可愛らしい思いを裏腹に、当の趙活は雲裳の腋に顔を挟まれて、まさしく豚のように鼻をフガフガ。いや、それどころか、


―――フニッ♡♡

「きゃあ♡♡♡ この豚♡♡♡ 豚の癖に手まで出てくるってことよ♡♡♡ どういう事なのかしら♡♡♡」
 趙活の左手が、雲裳の左の胸を触りだした。下から掬い上げるようにして、最初は乳首を触らず。出来るだけ優しく、盛り上がるように。その柔らかさを感じ取るように、フニフニ♡♡♡ プニプニ♡♡♡手が動く。
「ふがふが! ふがふが!」
 必死に鼻を鳴らしながら、それだけならまさしく豚のようなのに、雲裳の胸を揉むその手はあくまで優しかった。こういう所、この男は紳士なのだ。いや、紳士というか、雲裳を大事に扱っている。出来るだけ彼女が痛くなるようなことは、決してしない。
4926/09/23(水)00:11:32No.1471061479+
「んっ♡♡♡ あっ♡♡♡ うくっ♡♡♡♡」
(ほんっ♡♡♡とにっ♡♡♡♡この男ってばケダモノってことよ♡♡♡)
 こんな、優しく甘やかすような、蕩かすような手の動き。気持ちの悪い面のように、女の事を考えず、独りよがりに胸を揉みしだけばいいのに。そうしたら雲裳は痛みを感じて嫌がるだろう。それを無視してなおも胸を揉みしだけば、きっとそれはそれで雲裳は被虐の悦に浸れるのに、決して趙活はそんな事しない。
 そのせいで、こうして雲裳はむずがゆい思いをする。段々、段々胸を揉みしだく動きは強くなるのに、まだそれでも、乳首には触れない。官能が高められて、まるで雌を茹で殺すかのよう。既に今日は酒でゆであがっているのに、この生殺しはさらにキツイ。
5026/09/23(水)00:12:03No.1471061645+
「ふっ♡♡♡♡ふっ♡♡♡♡ふぐっ♡♡♡♡くぅっ♡♡♡お、お兄ちゃん♡♡♡♡そんなに豚のようで♡♡♡恥ずかしくないの♡♡♡それに胸だってまるで本当は触るのが怖いって言わんばかり♡♡♡ちょっとは激しくやってみたら? この意気地なし♡♡♡」
 と挑発してやると、
―――ペロリ♡♡♡

 代わりに脇を舐められた。酒で蒸された、美少女の脇を。
「ひゃあああん♡♡♡!?」
 まさかの兄の悪戯に、流石の混世魔王も驚愕を隠せない。、思わず甘やかな叫び声を上げて腰が浮く。プシッ♡♡♡と股の間から甘い臭いのする汁が噴き出した。だがしかし、趙活の動きは止まらない。舌でぺちゃぺちゃと舐めるだけでなく、時折吸い付いて、じゅるじゅると吸う。そんなはしたない動きに、今度こそ雲裳は顔を真っ赤にした。
5126/09/23(水)00:12:59No.1471061927+
「あんっ♡♡♡ばかっ♡♡♡へんたいっ♡♡♡どうしてそんな腋の下なんか♡♡♡く、臭い場所♡♡♡ふぐっ♡♡♡うあっ♡♡♡本当に♡♡♡本当にお兄ちゃんってば豚なのかしら♡♡♡」
 と罵倒してみても、欲望に塗れた趙活は止らない。そのままジュルジュルジュル。愛しい女の脇を舐め、しゃぶり、吸い。嗅ぎ味わう。それに満足したのか、趙活がわずかに顔を上げた。
「君の体に臭い場所なんてないぞ。うん。腋の下も、甘い匂いと酒の香りが混ざって、とてもいい香りだ」
「〜〜〜♡♡♡馬鹿ッ♡♡♡♡馬鹿なお兄ちゃんってことよ♡♡♡そんなに裳の臭いがお好きなら、腋で窒息すればいいんだわ♡♡♡」
 雲裳が叫んでヘッドロックをかまそうとする。だがしかし、趙活も慣れたものでするりと避けて、

―――カプリ♡♡♡
 散々焦らされていた、左乳首を甘噛みした。
5226/09/23(水)00:13:20No.1471062029+
「ッ! はっ♡♡♡ ふっ♡♡♡ ふぐっ♡♡♡……はぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡♡♡」
 長い長いため息と共に、雲裳のかrだからくたぁッと力が抜けていった。それと共に、ショロロロロロロロ♡♡♡と股から小水ともイキ潮ともつかない、濃くて甘い匂いのする汁が垂れ流される。少なくとも確実なのは、雲裳が深く深く絶頂した、という事だけ。
(酒の影響だな)
 ビキビキに勃起して、先走りすら垂れ流しているチンポを腹にぴとりと押し付けながら、趙活は完全に雲裳の上に跨る。
(いつもより蕩かしやすい)
5326/09/23(水)00:13:40No.1471062126+
実際、いつもなら一度深くイカせた程度では、『なによお兄ちゃん♡♡♡そんな怖い顔して♡♡♡裳をどうするつもりってことよ♡♡♡』なんて挑発すらする余裕がある筈なのに、今はただ。
「はーっ♡♡♡♡はーっ♡♡♡うっ♡♡♡くっ♡♡♡♡」
 と荒い呼吸しかすることが出来てない。瞳は蕩けて、何を言いたいかも一目瞭然だった。

―――早く抱いて欲しいってことよ♡♡♡このケダモノ♡♡♡♡

 趙活と雲裳は以心伝心。妻の望みを果たすため、趙活は雲裳の両足を浅く開いて体を滑りこませた。まるで熱病に冒されたかのようにぐったりしている。この妻は、口では何ともいいつつも、床ではあまりにも従順であるだが、今日はそれに輪をかけて従順だった。全く、抵抗なんて出来ようはずもない雰囲気。
 それでも趙活は体を滑りこませて、
5426/09/23(水)00:14:00No.1471062244+
「雲裳、いいな?」
 と問いかける。それに対して雲裳は酔いに蕩けたほにゃッとした笑みを浮かべてついに観念し、
「どうぞ♡♡♡酒と貴方に蒸された裳を味わいくださいな♡♡♡」
 と答えた。
―――グッ♡♡♡♡チュゥゥゥゥゥゥゥ♡♡♡♡
「うっ♡♡♡♡あああっ♡♡♡♡」
 豊かな胸と比べて脂肪の薄い腰を掴み、チンポを肉厚なおまんこの中へと埋めてゆく。
「うっ!ぐっ!なるほどこれはまさしく蒸されているな。いつもと比べて、アツアツだ!」
 趙活も、おまんこの中のねとねと♡♡♡ホカホカ♡♡♡した感覚に思わずうめいた。雲裳、近年改善してきたとはいえ、常に死の淵にあったからか基本的に体温が低い。そのため交わった際のおまんこも、冷たいとは勿論言わないが熱いという程でもなかった。だがしかし今は酒を飲んで酔っ払い、体温が上がっているからか、まさしく火酒のように熱かった。
5526/09/23(水)00:14:24No.1471062345+
 そんなねっちょりと熱い雲裳のおまんこを掘り進んでいると、とうの彼女がしてやったりと笑みを浮かべる。
「やっぱり♡♡ 熱いかしら? 気持ちいいかしら? 当然よね♡♡♡だって裳のホトは、特に入念に蒸したんですもの♡♡♡」
「それはいったい」
「飲んだわよ。下で」
「なぁ!?」
 その答えに、趙活は色を失った。


「君! 君! なんて馬鹿な事を! いいか、酒は口以外から飲むと回りが非常に速くなって危険なんだぞ……!」
 やけに酔っぱらっていたのはそれかと焦る趙活に対して、雲裳はけらけらと笑う。
「そんな、に。驚かないで。ちょっと『どうかな?』って思って、一掬い、手の平で塗ってみただけだから」
「そ、そうか。直接入れたのでなければ大丈夫か?」
 やけに心配そうな趙活の様子が、雲裳は嬉しくてたまらない。この裳の事が大好きで、本当に本当に大好きな旦那様は、裳の為なら黄泉路にだってついてきてくれるのだ。
5626/09/23(水)00:15:08No.1471062591+
「でも♡♡♡どうかしら? 裳の今日のここは、いつもよりアツアツホカホカで♡♡♡はっ……あふっ♡♡♡お兄ちゃんのも、ふくっ♡♡♡ケダモノってことよ♡♡♡だから、ね?」
 雲裳の細い手が、自分の腰を掴む趙活の手に重なる。
「今日もお好きなように、趙郎♡♡♡」
―――ゴチュ♡♡♡グチュ♡♡♡グチ♡♡♡クチ♡♡♡♡ズチュ♡♡♡ジョチュ♡♡♡♡


「はっ♡♡♡あっ♡♡♡うっ♡♡♡ふくっ♡♡♡ああぁん♡♡♡♡」
 愛しい妻に促されて、趙活が猛然と腰を振る。ただでさえ孕みたがりで水気が多いのに、今日はさらに酒で蒸された雲裳のおまんこは、まさしく泉のように女の汁を吹き出して、趙活を迎え入れていた。いつもは憎まれ口をたたいている雲裳の口も、今はただ喘ぎ声を漏らすのみである。
5726/09/23(水)00:15:30No.1471062718+
 悩まし気に瞳を閉じて、キュッキュ♡♡♡とおまんこを締めて趙活のチンポを気持ちよくしながら、射精を促すいやらしい妻の姿。いつもの生意気な混世魔王からかけ離れたその艶姿に、さしもの趙活の胸の内にも嗜虐心というものがあふれてくる。
「はっ! はっ! 雲裳! 流石にこれは、おもらしのようじゃないか!」
 チンポが深いストロークで出入りするたびに、その入り口がニュルゥゥゥゥゥゥ♡♡♡と伸びて趙活を逃さないとして、隙間からプシッ! と白濁した愛液を惜別の涙の代わりに吹き散らかす。そんいやらしいさまをみて、趙活はさらにチンポを固くしながら悪いかをして叫ぶ。
「これは、お仕置きが必要か!?」
「うっ♡♡♡んっ♡♡んっ♡♡♡あっ♡♡♡♡裳は♡♡♡♡裳は悪い子です♡♡♡お仕置きが必要なの♡♡♡趙郎のケダモノで孕ませて♡♡♡♡♡」
5826/09/23(水)00:15:58No.1471062927+
―――ドムッ♡♡♡

 身体が浮いた。

「う”っ♡♡♡お”っ」
 趙活のチンポが、雲裳の奥の奥を強くたたく。そのせいで亀頭が子宮を叩き、虐待し、薄い脂肪のお腹が、ポッコリと膨らむほどであった。あからさまに『ここに子宮がありますよ♡♡♡』と知らしめるかの如き防御。だがしかし、妻たる雲裳はそれを受け入れなければならない。それどころか。
「はっ♡♡♡はひぇ♡♡♡」
 チンポで子宮を殴られたというのに、その顔はへにゃりと蕩けるばかり。
「世を乱す混世魔王がッ! 形無しだな!」
 という興奮した趙活の言葉にも、ただいまはこくりこくりと頷いて。
「はい♡♡♡はい♡♡♡裳は趙大侠に討伐されてしまいました♡♡♡♡♡今ここにいるのは、単なる一匹の雌でございます♡♡♡♡」
5926/09/23(水)00:16:58No.1471063302+
 あんなに天真爛漫でこんなに従順。雲裳は、趙活の喜ばせ方を重々承知していた。男の理性のタガがブチリと外れる音がして、
「きみ、君は本当に、そんないやらしい事ッ……!」
 思わず気持ち悪い発情顔でにやけてしまうと、今度はへにゃりと笑いながらも、挑発するかのように瞳の中に嘲りの色が浮かんだ。
「何キモ豚が発情顔さらしてるの? キッモ♡♡♡ そんなキモイ発情顔さらしてるせいで♡♡♡あっ♡♡♡♡♡ たまご♡♡♡排卵ちゃったじゃない♡♡♡♡」
 
6026/09/23(水)00:17:20No.1471063416+
 腰をひっつかんでいた趙活の手が、雲裳の二の腕をひっつかんだ。
「きゃっ♡♡♡いっ♡♡♡痛っ♡♡♡♡」
 普段の趙活だった絶対しない事。折檻以外で雲裳の痛い事なんか絶対しないのに。つまりこれは、折檻なのだ。雄を誘惑するわるーい雌への。

―――バズン♡♡♡♡バズン♡♡♡♡♡バズン♡♡♡♡♡♡


「はっ♡♡♡♡ぎゃ♡♡♡♡おっ♡♡♡♡♡あぐっ♡♡♡♡」
 もう雲裳が気持ちいいとか優しくしようとかそんな事を一切考えない、孕ませるための、孕ませるために精子を絞り出すことを重視した、雄の気持ちよさ優先の全力ピストンに、雲裳はもはや意味のある声を出すことができない。二の腕を掴まれて、上半身を持ち上げられて、腰と腰が密着しているにもかかわらず、腰の動きだけで猛然と雲裳のおまんこを掘り起こす。
6126/09/23(水)00:17:43No.1471063558+
その衝撃にゆさっ♡♡♡♡ゆさっ♡♡♡とゆれるおっぱいに愛しい『キモ豚』の視線が注がれている事を感じるのも、雲裳の胎の熱をより高める事になる。
「あっ♡♡♡♡はっ♡♡♡」
 辛い。気持ちよすぎて、ピストンの衝撃が強すぎて、ほとんど呼吸ができない。だがそんな呼吸ができないなんてこと、死にそうな日々の中では日常茶飯事だった。だから、もう一杯一杯。さっきから子宮を亀頭で殴りつけられるたびに、甘臭い雌汁をビュービュー吹き出して絶頂しているのに、それでも雲裳は趙活を煽った。
「なに♡♡♡こんどはおっぱいが欲しいの♡♡♡本当にキモ♡♡♡キモ過ぎるってことよ♡♡♡そんなにおっぱいが吸いたいなら、吸えばいいじゃない♡♡♡♡」
 その言葉に趙活は、ピストンしながら雲裳のおっぱいに顔を寄せて、
6226/09/23(水)00:18:16No.1471063728+
 谷間に顔を埋めた。そのまま両のゆたかなおっぱいのやわらかさを感じながら、いい気にスゥゥゥゥゥっと深呼吸をする。
「きゃああああ!?」 
 これには流石の雲裳をも驚きの声。乳首を吸われる位なら覚悟していなのに、そんな事するなんて。
(だめっ♡♡♡駄目っ♡♡♡裳のそこはお酒と汗と毛皮で蒸されて、絶対臭い♡♡♡臭い♡♡臭いのに♡♡♡」
 スゥゥゥゥゥゥと深呼吸するなんて、とんだヘンタイである。
「わ、腋だけに飽き足らず、そんな場所の臭いまでかぐなんて豚! ♡♡♡♡本当に節操なしの豚ってことよ♡♡♡いいわ♡♡♡いいわ♡♡♡♡裳の臭いをかいで、病みつきになりなさい♡♡♡」
 裳の言葉に、スッと趙活が顔を上げた。至近距離で、瞳と瞳がかち合う。
6326/09/23(水)00:18:28No.1471063804+
―――本当に醜い。

 だが、その醜い男が愛しくて愛しくてたまらないのが雲裳なのだ。綺麗な瞳で雲裳を貫きながら、趙活が静かに応える。
「雲裳の体は、どこも良い匂いだ」
「あっ♡♡♡うっ♡♡♡♡」
―――キュン♡♡♡キュン♡♡♡♡


「こ♡♡♡の♡♡♡♡豚♡♡♡♡豚は豚らしく、裳の事さっさと孕ませなさいよね♡♡♡」
6426/09/23(水)00:18:41No.1471063862+
「仰せのままに」
「ッ♡♡♡♡」
 雲裳は雌汁を吹き散らかし、今日一番深い絶頂に叩き込まれた。まるで崖から落ちるかのよう。落ちるのは怖い。だから必死に雲裳のおまんこは趙活のチンポを掴んで、
「ぐっ! うううう! 雲裳! 俺も!」
 趙活が叫んだ。すると雲裳の心の中に、ほっとやさしい何かがあふれる。
(ああっ♡♡♡流石お兄ちゃんってことよ♡♡♡どんな時も裳を離さないのですね♡♡♡)
「趙郎♡♡♡趙郎♡♡♡お兄ちゃん♡♡♡♡」
 呼びかける。
「なんっ! だ! 雲裳!!!」
6526/09/23(水)00:19:01No.1471063990+
―――大好き♡♡♡♡♡♡♡♡
「ッ!!!!」


――――ビュルルルルルルルルルルルル!!!!
「ふっ♡♡♡♡はぁぁぁぁぁぁぁぁ♡♡♡♡♡♡♡」

 あまりにも。あまりにも熱くて濃い、命の元が、雲裳の中にぶちまけられた。酒で酔った体より熱いそれを全力で受け止めて、崖の下に落ちようとしていた雲裳は、趙活の手によって高い高い、一番高い場所へと、導かれてゆくだのった。
6626/09/23(水)00:19:17No.1471064093+
「ふぅ……ふぅ……ふぅ〜っ!」
 実のところ趙活も酒を飲んで酔っていたから、いつものように何度も射精できるようなコンディションではなかった。その分、一発の濃度が濃い射精が出来たように思う。満足。今日はこの心地よさのまま寝ようと思いつつ、

―――ヌ♡♡♡ルゥゥゥゥゥゥゥ♡♡♡グポ♡♡ゴポ♡♡♡

「あんっ♡♡♡」
 半勃ちになったチンポを、雲裳のおまんこから引っ張り出す。精子と雌汁でべとべとになったそれは、今なおほかほかと湯気が立っていた。一方の雲裳は、ぽっかりと趙活の形に開いたおまんこから、トプトプ♡♡♡と精子と愛液の混合物を溢れさせながら、両手を投げ出して伸びている。
6726/09/23(水)00:19:32No.1471064196+
そんな彼女を見下ろしつつ、さて後始末をするか。せめて自分の股間は拭わないとと布を探し始めた趙活に、
「お兄ちゃん♡♡♡」
 と声がかかる。すると身を投げ出した汗だくの雲裳が、すっと自分のおっぱいへと両手を持って行って、


 パカァ♡♡と谷間を開いた。まるでここを、『チンポをぬぐうためにつかえ』と言わんばかりに。
「君はっ!」
 何も言わない。ただ、挑発的な流し目で微笑むのみ。たまらず、半勃ちだったチンポがすぐさま勃起して臨戦態勢。ホカホカ、ヌトヌトのチンポを、『雲裳の胸の谷間』という趙活だけが使える最高のチンポケースに収める。
6826/09/23(水)00:19:48No.1471064279+
「うわっ♡♡♡くっさっ♡♡♡こんな汚いのを裳の胸に挟むなんて、お兄ちゃんは本当にヘンタイってことよ♡♡♡」
 そう言いながらノリノリで雲裳は両方の胸を使って、趙活のチンポを挟む。その大きな胸は、簡単に趙活のチンポを隠した。亀頭だけがひょこり出ており、その先端、鈴口を雲裳が、
「……♡♡♡」
 チロチロと舐め始めた。表情自体は非常に嫌そう。実際良い味ではないのだろう。彼女はそういうところについて嘘はつかない。だが、そんな彼女がチンポを舐めてくれてるというのもまた、事実だった。
「雲裳!」
 叫んで、雲裳の頭をひっつかむ。そしてそのまま強引にチンポを突き入れた。
6926/09/23(水)00:20:22No.1471064482+
「んむぅぅぅぅぅゥゥ♡♡♡」
 抗議の叫びと視線。だがしかし、瞳の中に被虐の悦がまざまざと宿っているのはお見通しだ。何よりこんなことをされてもなお、彼女はおっぱいで趙活のチンポを挟むのをやめてはない。彼女が何を望んでいるかなど、一目瞭然である。なので趙活は気合を入れて、
「ふんっ! ふん!」
 と雲裳の手のひらの上に自分の手のひらを重ね、猛然と腰を振る。歯を立てずに口をすぼめて、しかもチロチロと竿全体を舐めしゃぶり、それでいて表情は不快そうに悩まし気。
 にもかかわらず、
「んむっ♡♡♡んむっ♡♡♡♡まじゅっ♡♡♡♡♡くしゃ♡♡♡♡」
7026/09/23(水)00:20:36No.1471064561+
声色だけは媚びて甘い。ああ、混世魔王のなんと複雑怪奇な事か。だがしかし一つ確実な事がある。それは趙活と雲裳が、互いに相手を愛しているということ。本当はいやであるにも関わらず、プニプニ♡♡♡ふわふわ♡♡♡♡のデカパイで趙活のチンポを挟み込み、興奮と酔いの汗をローション代わりにして、趙活のチンポをパイズリフェラする。
 そんな彼女の献身に、趙活の興奮が対に限界に達した。もとより2度目。敏感なのは趙活もそう。お尻に力を込めて射精を我慢するのにも限度がある。そしてそれはすぐさま訪れた。
「雲裳! もう限界だ! また出る!」
 口を離してくれ。そんな趙活の言葉にしかし、


「んっ♡♡♡チュゥゥゥゥゥゥゥ♡♡♡♡」
 嫌そうな顔をしながらそれでも雲裳は、必死にチンポへと吸い付いた。
「ぐっお! おおおおおおお!!!」
7126/09/23(水)00:20:55No.1471064643+
―――ビュルルルルルルルルルル!!!!!!


 2度目の射精が、飲み込まれる。雲裳の口の中に、白くでドロドロして臭い、趙活の命が放たれていった。しかも、それだけではない。


―――コク♡♡♡コク♡♡♡コク♡♡♡

 と、趙活のチンポが精子を吐き出すたび、雲裳の白くて細くて可愛らしい喉がコクコクと動いてそれを飲み込んでいくのだ。
7226/09/23(水)00:21:25No.1471064813+
「うあ。雲裳ッ!」
 そのあまりにも背徳的な様子に、趙活はくらくらと視界が回るようだった。酔っている。酒よりも何より、雲裳に酔っている。そして最後ついに最後の射精も終わったところで、雲裳が、


―――チュルッ♡♡♡

 と尿道の奥にまで残ったそれを飲み干した。そこでやっとチンポが解放されて、思わず趙活はたたらを踏んで後ずさる。そんな彼に対して、
「あー♡♡♡」
 雲裳は口を開いて中を見せた。綺麗な歯並び。鮮やかな、ピンク色の口内。そこに、精子の名残は一つもない。つまり本当に全部飲み干したという事で、
「き、君」
「ほんと、不味くて臭くて最悪だった、ってことよ」
7326/09/23(水)00:21:38No.1471064886+
 と趙活の言葉を雲裳が遮る。
「でも」


「でも、お酒よりは全然好きかも♡♡♡」
 
 そうやって笑う雲裳に抱き着いて、しかし趙活もそこで限界が来た。雲裳と酒。2つの酔いが回ったのだ。そんな彼の頭を優しく撫でて、雲裳が耳元で囁く。


「はふ♡♡♡正直私も限界ってことよ。お休み♡♡♡お兄ちゃん♡♡♡♡」
7426/09/23(水)00:21:56No.1471064981+
「うげっ……あ”だま”い”だい”」
「全く、『雲裳蒸し』なんて言って馬鹿な飲み方をするからだぞ」
 次の日。全くぴんぴんしている趙活とは裏腹に、雲裳の方は明らかに二日酔いとなっていた。
「むしろなんでお兄ちゃんの方はそんなに元気そうって事よ。理不尽。そう言ってぽかぽか叩いてくる拳の強さにも、今は張り合いがない」
「とにかく安静第一だ。今日は休むぞ」
「はーい」
 趙活の言葉にも一々突っかからない辺り、どうやら雲裳も相当答えているらしかった。そのまま布団をひっかぶって、頭だけひょっこりと出して、
「ねぇお兄ちゃん」
 とベッドの傍らに座る趙活に声をかける。
「なんだ? 雲裳」
「どうだった? 美少女蒸し?」
「……悪くはなかった」
「じゃあ、またやるってことよ〜♡♡」
7526/09/23(水)00:22:32No.1471065189+
「だからって駄目だぞ! あんな無茶な酒の飲み方は!」
 という趙活の言葉に、雲裳もうんうんと頷く。
「解ってるって。だから今度はちょっと私も考えたの。ねぇお兄ちゃん。豹の毛皮みたいなのの、もっと大きなものががほしいな♡」
「そりゃまたなんで?」
「私とお兄ちゃんがすっぽりとはいれる程大きなもの。その中はきっと熱くて、暗くて、じっとりして……きっと今日みたいに、凄いと思わない?」
 そう言ってにんまり笑ってくる雲裳に、趙活は言葉を失った。
「君は……君は本当にまったく……!」
「えへへへ。裳はつねに趙郎の事を考えてるってわけよ♡♡」
 この魔王に趙活が勝つことなど、当分できそうにないのであった。
7626/09/23(水)00:23:45No.1471065571そうだねx4
という訳で『海老と美少女は蒸すほど美味しい』でした。本当はもっと早くに出すつもりだったんだけど、お盆辺りに家族に夏風邪移されて、そのせいで依頼で各文章の納品に滞りが出てここまでかかってしまった……ああ。次はタツ姉だ……
7726/09/23(水)00:24:37No.1471065829そうだねx3
>この魔王に趙活が勝つことなど、当分できそうにないのであった。
まで読んだ
まさか海老の酒蒸しまでの良い話が艶話の枕とは思わんやん⋯
7826/09/23(水)00:28:54No.1471067074そうだねx2
>>この魔王に趙活が勝つことなど、当分できそうにないのであった。
>まで読んだ
>まさか海老の酒蒸しまでの良い話が艶話の枕とは思わんやん⋯

日常をしっかり挟むことによって『この2人は日常の延長線上にセックスがある』というエロスを演出することが出来るんですよね
7926/09/23(水)00:29:00No.1471067096+
魔王がその才能をスケベに向けたらそりゃ凄い事になるよね
8026/09/23(水)00:29:33No.1471067239そうだねx2
基本的にこの話とこの話以外にもPixivに上げてるから読んでね
8126/09/23(水)00:30:10No.1471067418そうだねx1
>魔王がその才能をスケベに向けたらそりゃ凄い事になるよね
師匠はどストレートにエロだけど一番変態チックな事やるの魔王だと思ってます
8226/09/23(水)00:32:24No.1471068015+
次のタツ姉初夜話はもっと早めに上げたい所。どう書くかまだ全然考えてないけど
8326/09/23(水)00:35:14No.1471068747+
ちなみに小師妹魔王ハーレムルートの構想もあります
8426/09/23(水)00:39:41No.1471069909そうだねx1
凄い大作だったぜ
8526/09/23(水)00:46:12No.1471071681そうだねx1
>凄い大作だったぜ
ありがとうね
8626/09/23(水)01:15:35No.1471078664そうだねx1
>基本的にこの話とこの話以外にもPixivに上げてるから読んでね
タツ姐と大師兄のカプ好きだからくっついてる小説良かったよ
8726/09/23(水)01:17:31No.1471079079+
軽い気持ちで開いたけどこいつで致して寝る
8826/09/23(水)01:17:59No.1471079177+
>>基本的にこの話とこの話以外にもPixivに上げてるから読んでね
>タツ姐と大師兄のカプ好きだからくっついてる小説良かったよ
ありがとうやで。

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