二次元裏@ふたば
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画像ファイル名:1789909648041.png-(173344 B)
173344 B26/09/20(日)22:07:28No.1470317315+ 23:24頃消えます
学園から各ウマ娘に5億年ボタンが支給された。
トレーナーとの親睦と結束を深めるという名目で、サトノグループが極秘裏に開発し、量産され生徒たちの手に渡ったのである。
一般的に知られている5億年ボタンとは以下のようなものである。
「ボタンを押した瞬間に意識が何もない異空間に飛ぶ。そこで無為の5億年を過ごす。5億年が過ぎると記憶がリセットされボタンを押した直後の現実世界に戻る」
これを都合よく改造しサトノ謹製とした新5億年ボタンが次のようなものである。
「ボタンを押した瞬間に世界が無人になりトレーナーと二人きりになる。電気、ガス、水道などのインフラを維持したまま5億年の時を二人だけで過ごす。5億年が過ぎるとボタンを押した直後の現実世界に戻る。記憶は失われるが深層心理にその経験が刻み込まれる」
トレーナーと二人きりになれること、そして深層心理への影響。この二つが大きな違いだった。
削除された記事が2件あります.見る
126/09/20(日)22:08:10No.1470317577+
シュヴァルグランは、5億年ボタンが届くと中を検めず金庫の奥深くにしまい込んだ。
シュヴァルグランは内心に深い恐怖心を抱えているウマ娘であった。
死ぬこともできずにループを続けるホラー映画を見て眠れなくなったこともある。
5億年というほとんど無限に近い時間を、たとえトレーナーと一緒という慰めがあったとしても、正気を失わずに耐えることができるとは思われなかった。
学園はちょっとした騒動に発展していた。誰々は押しただの、誰々は押さずに破壊しただのといった噂が飛び交った。
ヴィルシーナは理性が働いていたのでもちろん押すことはなかったが、ヴィブロスはなんと興味本位で1回押してしまったというのだ。
慌ててヴィルシーナが医者に連れて行って、レントゲン、MRI、血液検査などくまなく異常がないかを確かめたが、ヴィブロス自体には何の変化もなかった。
226/09/20(日)22:08:34No.1470317721+
「お姉ちゃんもシュヴァちも心配しすぎだよ〜私は何も覚えていないもん。トレっちもね、なんともないんだって」
シュヴァルグランとヴィルシーナは怪訝そうに顔を見合わせた。猜疑心は収まらない。
ヴィブロスは何かが決定的に変わってしまったのではないだろうか?
ヴィルシーナは結局、5億年の効力を恐れて、トレーナーと一緒になれるという特典を無視して、焼却炉に自分の5億年ボタンを放り込んだ。
「シュヴァルも早く捨てなさい! ダメよ、こんなもの!」
シュヴァルグランは姉の提言に逆らう気はなかった。破棄してしまおうと思った。
しかし、一度金庫に入れたものを取り出す手間が億劫だったのか、それとも金庫に入れておけば当面は安全だろうという心理が働いたのか、なぜだかそのままにしておいて捨てることをしなかった。
そしてその事実は、シュヴァルグランの心に澱のようにこびりついて離れなかった。
326/09/20(日)22:08:56No.1470317864+
翌日になって学園の混乱はピークに達していた。押す・押さないのチキンレースが始まったのだ。
「だって、だって……マックイーンが押すって言うから、うあああ〜!」
「テイオー何していますの!? 体はなんともないんですの!?」
ウオッカとダイワスカーレットが言い争っていたが、レッドディザイアが仲裁に入った。
イナリワンとタマモクロスも「意気地なしめ!」「やかましいわ!」とヒートアップしている。
シュヴァルグランはなぜだか後ろめたい気持ちになって、波止場に釣りに出かけた。
海は深い青をたたえ、どこまでも広い。
釣り糸を垂らしている内に思考がまとまってきて、冷静に物事を俯瞰できるようになった。
426/09/20(日)22:09:20No.1470318024+
なぜ、5億年ボタンを破壊しないのか――多分、期待しているからだ。
自分と二人きりになったトレーナーが、自分を諦めずにずっとそばにいてくれることを。
最初、シュヴァルグランは5億年という時間の果てのなさに慄いていると思い込んでいた。
だけどそれは違った。5億年の時の中で、トレーナーが自分のことを見放してしまうんじゃないかと恐れたのだ。
シュヴァルグランは自分に自信がない。一人でいることの方がずいぶん楽だ。
隣に誰か大切な人がいたとしても、その人を幸福にする力はないし、そんな気遣いはできない。
そういう自分の至らなさが5億年の間に露呈してしまうのが、怖いのだ。
「シュヴァル、ここにいたのか」
後ろを振り向くとトレーナーがいた。
526/09/20(日)22:09:50No.1470318236+
「なんだか、学園が大変みたいだな。理由はトレーナーたちには知らされてないんだけど……」
「あ、それは……」
「いいよ言わなくて。俺たちもうトラブルには慣れっこだからさ。担当ウマ娘の面倒ごとなら、何でも引き受けるよ」
釣り糸がぴくぴく引いていたが、もうシュヴァルグランは釣り竿の方を見ていなかった。
「あの、トレーナーさん。もしも、もしも世界が滅亡して、二人きりになってしまったら、どうしますか?」
「滅亡……? そりゃ、悲しいな。でも」
海風に撫でられて、トレーナーの前髪がさらさらと細かく揺れた。
「シュヴァルと一緒なら、なんだかんだ楽しくやっていけそうな気がするよ」
その日の釣果はゼロだった。クーラーボックスは軽くて、だけどそれがなぜだか嬉しかった。
626/09/20(日)22:10:16No.1470318378+
帰ってきて、机の上に5億年ボタンを置いた。禍々しいオーラを放っている。
「記憶は失われるが深層心理にその経験が刻み込まれる」その意味は結局わからない。
でも、これは自分たちの絆を試す試金石に違いないと思えた。
一歩を踏み出すものと、踏み出さないものを選り分けるための装置だと。
そっとボタン部分に手のひらを乗せる。ひんやりとした感触。無機質な樹脂の滑らかさ。
「僕は、できる。僕はシュヴァルグラン、誰よりも強いんだ……!」
大きく息を吸い込んで、ぐっと覚悟を決めてボタンを押した。
ぽち。
「……?」
沈黙が部屋の中を満たした。大爆発も天変地異も起きなかった。
それはヴィブロスの話と全く同じだった。傍目には何も変わることがない。
726/09/20(日)22:10:44No.1470318562+
なんだ、こんなの、大したことないじゃないか……。
シュヴァルグランはそもそもの5億年ボタンなるものの実在性から疑ってかかった。
人の意識を別世界に飛ばせるようなトンデモ装置が、今の科学で実現できるはずがない。
してみれば、これは学園側に一泡吹かされただけの壮大な茶番だったのではないか。
「シュヴァル」
優しい声に振り返った。トレーナーが立っていた。
「部屋に帰ってたんだな。帽子落としてるよ」
なぜだかわからない。なぜだかわからないが、シュヴァルグランは嫌な予感がした。
トレーナーはよく帽子を直してくれる。その時に、いったん頭を撫でてから被らせてくれるのだ。
今回もまた同様に、帽子の埃を落としてから、シュヴァルグランの頭に手を置いた。
826/09/20(日)22:11:13No.1470318747+
「深層心理に刻み込まれた経験は、あるイベントをトリガーとして解放される」
「トレーナーとウマ娘に身体接触があった場合に、5億年の記憶が一瞬だけ流れ込む」
5億年ボタンに刻まれた裏設定は、ウマ娘たちの目に留まることはなかった。
シュヴァルグランの全身に電流のようなものが走った。
突如脳内にあふれ出した、「存在するはずのない記憶」――。
最初の十年は困惑の時間だった。トレーナーと二人、無人の世界を当てもなくさまよった。
次の百年は受容の時間だった。ルールをあるがまま受け入れて、何とか生きていこうとした。
次の千年は冒険の時間だった。世界中をくまなく見て回って、たくさんの思い出を作った。
次の一万年は別離の時間だった。些細なことで喧嘩して、物理的に遠距離の関係を保った。
次の十万年は再燃の時間だった。劇的に再会した二人は、その夜遅くまで愛を語らった。
次の百万年は熱愛だった。次の百万年も熱愛だった。次の百万年も――。
ぶふっ、とシュヴァルグランは鼻血を流して、その場に倒れ込んだ。
926/09/20(日)22:11:39No.1470318912+
病院のベッドに寝転びながら、シュヴァルグランは一人でほくそ笑んだ。
あの一瞬の記憶が嘘でないならば、トレーナーは5億年自分を見放さなかったことになる。
自分のことを信じてくれたのだ。
「ふふ……えへへへ」
学園の狂騒は収まることを知らず、裏設定を知った後も祭りのような日々が続いていた。
メジロ家は円卓を囲んで、それぞれの5億年ボタンを前に会議を始めた。
誰もが二の足を踏んだが、メジロラモーヌだけはこともなげに自分のボタンを押してみせた。
それを見ていたメジロアルダンもまた、ボタンを押す決意を固めたのである。
「愛ね」
1026/09/20(日)22:12:02No.1470319064そうだねx2
カフェテリアの隅の席ではスティルインラブが恍惚そうな笑みを浮かべていた。
アドマイヤグルーヴが悲壮な顔で叫ぶ。
「誰かスティルさんを止めてッ! もう二日間ずっとボタンを押し続けているッ!!」
「あはっ、あはあはは、あハハハハハハハハ!!」
ぽち、ぽち、ぽち、ぽち、ぽち、ぽち、ぽち、ぽち……。
1126/09/20(日)22:14:09No.1470319963そうだねx6
没収しろそんなもの
1226/09/20(日)22:17:17No.1470321237そうだねx3
最後の最後に一番ヤバい娘を出すな!
1326/09/20(日)22:17:47No.1470321432そうだねx1
姉さん……
1426/09/20(日)22:19:44No.1470322207そうだねx5
>姉さん……
いやこれは責められねぇよ....
1526/09/20(日)22:20:54No.1470322652そうだねx3
スティルからしたらトレーナーと二人きりの五億年ボタンとかご褒美でしかないか…
1626/09/20(日)22:21:24No.1470322842そうだねx2
スレッドを立てた人によって削除されました
また感想まで自演するの?何度もバレたのにめげないね
1726/09/20(日)22:21:40No.1470322957+
画像ガビガビにされながらよくやるよ
1826/09/20(日)22:25:47No.1470324510+
熱愛の百万年の部分の詳細も頂戴!
1926/09/20(日)22:29:39No.1470325976そうだねx1
サトノグループはなんでこんな危険物開発したのか
2026/09/20(日)22:30:05No.1470326133+
ドンナも押してそう
シオンも押してそう
姉さん...
2126/09/20(日)22:32:05No.1470326897+
シオンは押した後後悔するタイプだと思う
2226/09/20(日)22:33:41No.1470327492そうだねx1
誰だこんなもん作ったのは
サトノか
そうかぁ…
2326/09/20(日)22:33:52No.1470327560そうだねx2
スレッドを立てた人によって削除されました
https://tsumanne.net/si/data/2026/09/05/10825409/
2426/09/20(日)22:37:01No.1470328753+
>ドンナも押してそう
>シオンも押してそう
>姉さん...
押さない勇気もあると思う
2526/09/20(日)22:37:45No.1470329015+
5億年分の情報流し込まれて無事なのか...
2626/09/20(日)22:39:39No.1470329698+
18連打するようなウマ娘は他にいないんですか
2726/09/20(日)22:39:57No.1470329820+
>18連打するようなウマ娘は他にいないんですか
スズカさんは走りたくなったら押してると思う
2826/09/20(日)22:40:45No.1470330100そうだねx1
>5億年分の情報流し込まれて無事なのか...
認識する意味の無い虚無の時間は省略されるんだろ多分…
2926/09/20(日)22:43:16No.1470331091そうだねx1
>5億年分の情報流し込まれて無事なのか...
怪文書の中身的に過ごした五億年のあらすじが脳内にスゥーっと染み込む感じでは
それでも途方もなく長いけど
3026/09/20(日)22:45:12No.1470331852+
アドマイヤの二人がヤバい
いやまあ二人とも破壊しそうだけど
3126/09/20(日)22:47:47No.1470332860+
オペラオーは押さなそう
周りにはこんなものに頼らなくともトレーナー君とボクは既に一心同体なのだからね!って言いつつ本当は怖いから
3226/09/20(日)22:51:30No.1470334408+
ウインディちゃんあたりがこんなのウソに決まってるのだ!!!ってポチポチ押しまくってそう

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